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NBA主催の国際大会案

キューバンが、FIBAや、オリンピックや、ゼネラル・エレクトリック社(オリンピックの放送権を持っているNBCの親会社だった)に文句を言っている記事を読んだ。ずっと前から文句を言い続けているので特に目新しい内容ではないですが。

キューバンの意見の主な内容は・・・
・今のところ国際大会では、一部の選手はスポンサー契約で儲けれるが、NBAチームのオーナーは何も儲けがない。選手に年俸を払って、怪我のリスクさえNBAチーム側が抱えている。

・それならNBAが国際大会を主催したほうが理にかなっている。リーグも金を稼げるし、全チームに分配できる金も増える。これが彼の意見。彼はこのことをCBAの交渉のときに話し合いたい模様。

以下、記事より。

■国際大会

・国際大会について、Mキューバン「今のところ、GEはオリンピックのテレビ放送のために、オリンピック委員会に金を払いまくっている。オリンピック委員会はそれを、全スポーツのオリンピック代表チームにほんの少ししか分配してない。GEも腐るほど儲けている。一方、我々NBAチームのオーナーは選手に大金を投資しているが、代表チームに無償でそれらの選手を提供している。」

・改善案について、キューバン「バスケットボールは客を呼べるスポーツの一つだろ?・・・GEを儲けさせるくらいなら、我々NBAが主催の国際大会を作って、それをオリンピック大会の一部として提供して、我々NBAが金を儲けれるようなシステムを作ったほうがいい。」

「オリンピックがアマチュアの大会のままだったなら、それでよかった。だが今やオリンピックは巨大なビジネスになってしまった。オリンピックに無償で選手を提供している我々、つまり、クラブチームのオーナーがなんと呼ばれているか知っているか?「バカ」だよ。そのとおりなんだ。我々みんな。こんなのって不条理だろ。」

「しかも、FIBAの大会なんて金すら稼げてないんだ。もっとばかげているだろ。あんな大会、誰も見てないんだ。我々が選手を無償で提供してるのに、誰もFIBAの大会に注目しない。」

「構想が実現すればリーグがうるおい、マーケット規模の小さいチームも大きく変わる。今はCBAについてコメントはできないが、実現すれば誰にとっても得な話だ。検討されるべきだ。」

「私の意見を聞いたら、FIBAの代表は心臓発作を起こすだろうな。だけど誰も彼のことなんて全く気にしてない。正直なところ、私はFIBAの事情など気にしてない。我々はNBAでビジネスをしてるんだ。我々にとって賢い選択をすべきなのは当然だろ。向こうもこちらの気持ちは分かっている。システムを変える気があるのかは知らないけどね。」

・リーグ側は現状維持が良い模様。リーグのスポークスマン「国際大会でバスケットボールは世界的な注目を浴びており、それはNBAにとっても利益になっている。」

■一言
・現状はまず変わらんでしょう。

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ヴァイオレット・パーマー

NBAでただ一人の女性審判、ヴァイオレット・パーマーについての記事を読んだ。どんな人なのか知らなかったので読んでみました。

以下、記事より。

■ヴァイオレット・パーマー

・NBA史上初の女性審判であることについて「歴史に残ることをしたという実感はないです。引退したらそう思うかもしれませんけど。今は仕事に夢中で。最高の審判になろうという思いだけです。・・・黒人月間(毎年2月)のとき、近所の郵便局の方が私の写真を飾ってくれたことがありました。「私の息子が、あなたはかっこいい、って言ってますよ」と言われたりしましたが、まだ自分では特別なことをしているとは捉えられないですね。」

・いまだにNBAの女性審判が一人であることについて「自分のせいで敷居が上がったのかもしれません。Dリーグに一人優秀な女性審判がいるんですが、(審判のための)キャンプでいい結果を出せばチャンスがあるかもしれません。」

・同僚の審判について「同僚の60人の審判は素晴らしい方です。みんなでバーに行けば私はお金を払わなくていいんです。私は「Queenie」と呼ばれてますね。「Queenie、何にしますか」と言われたり。みんな紳士的で、私を女性として扱って、敬意を払ってくれます。」

・職場での性差別やセクハラなどについて「特に変なことも、性差別もありません。以前、ある選手にビッチと呼ばれたことはありますけど、ちゃんと謝ってくれました。(生理前だからイライラしているんですかなどの)PMSジョークも言われたことはありません。選手は、審判としての力量だけを見てくれます。」

・選手の態度について「初めて選手から認めてもらえたと思ったのは4年目くらいのときですね。ファールをコールしたとき、「あの審判は正しい」という態度をとってもらったことです。・・・今ではフロアに出ると選手からは「どこに行ってたんですか?俺たち、嫌われたのかと思いましたよ。彼女が俺たちのもとからいなくなった、とみんな思ってたんですよ」と声をかけられます。メディアの方より丁寧に接してくれます。私が髪を切ったら「バイオレットさん、かわいい髪型ですね。ブレードもよかったけど、これもいいなぁ」と言ってくれました。仕事に対しても敬意を払ってくれます。・・・おしりを叩かれたり、ハグをされても、自然な流れであれば問題ありません。試合の開始時にハグやキスをしてみんなであいさつしますが、そこでも敬意があれば何も問題ありません。」

・家族などについて「1年のうち6ヶ月程の間は家にいません。クリスマスなどの祝日や家族のお祝い事の時にも仕事があります。オフの間になるべく埋め合わせるようにしています。・・・子どもを持つ予定は今のところありません。自己中ですね。でも仕事が好きなんです。そういうタイプなんです。それに姪や甥は山ほどいますからそれで十分です。・・・子どもを持つ予定ができたとしても、リーグから休みはもらえるでしょう。けが人が出たときのような感じですね。」

・女性であることについて「記者の方が教えてくれたんですが、選手の多くは私の中に、シングルマザーである彼らの親の面影を見ているようなんです。熱心に働いて彼らを育ててきた人の面影を。仕事がしやすくなるので、そういう点では助かっています。ただ、それで楽や得をしようということではありません。」

・2006年のニックス対ナゲッツの乱闘のときについて「私は乱闘シーンから離れた場所にいたんですが、もうキャリアは終わったと思いました。乱闘が起こるときはいつも、「なにか自分たちの仕事にだめなところがあったせいなんだ」と思います。あの時もそう思いました。ただ、試合後のレビューでビデオを見たら、別にそういう事はありませんでした。・・・正直なところ、怖くはありませんでした。殴り合いが始まればどうしようもありませんから。審判ができることは、殴り合いが始まる前に止めることだけです。あのときは、「キャリアは終わった」と思っただけですね。」

・セクハラ事件が起きた場合について「もし、私たち女性審判の誰かがセクハラのようなことをされれば、無視できません。Dリーグには25人の女性審判がいますが、彼女たちも同じような扱いを受けて広がる可能性があるためです。」

・男社会で働く女性に向けて「NBAは男社会だと言われていますが、私はそう思っていません。私がここで仕事を始めたとき、女性解説者はいませんでした。でも、今や野球とホッケーを除いたすべてのスポーツで女性解説者が活躍しています。仕事さえできれば、受け入れられるんです。素晴らしいと思います。今や私は特別な存在ではないんです。」

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ロースター枠削減案

チームを潰す代わりに、1チームの人数を減らしてコストを削減すればいい、というストレートな案に関する記事を読んだ。

以下、記事より。

■ロースター枠削減

・オーナー側のロックアウトに対する姿勢について、筆者「ロックアウトで1シーズン潰れる場合、選手側は年俸を受け取れないので、合計約21億ドルを失うことになる。取り返す手段はない。オーナー側にとっては、年俸を払わなくていいという点で好都合であり、1年ほどのロックアウトはむしろ望ましい。関係者の話によれば、7、8人のオーナーはそういう気持ちであるという。実際はそれ以上いるかもしれない。」

「オーナーや交渉担当者は、ロックアウトなどしなくても選手側に要求を飲ませることはできると考えている。ロックアウトをすれば、選手は金がなくなり困るためだ。・・・オーナーが目的達成のためにロックアウトをするとすれば、現行制度を少し変更するだけにはとどまらないはずだ。長く続くものになるだろう。その結果として、システムはオーナーに有利なものに変わるだろう。・・・関係者は「ロックアウト開始時には少しの痛みもあるだろうが、行われるなら、オーナーたちは1シーズン潰すと思う。」と語っている。」

・労使交渉経験のある、とあるリーグ関係者の提案「ロースター枠を15人から12に減らせばいい。また、現在、バスケットボール関連の収益(BRIと呼ばれる)のうち57%が選手側の取り分だが、それを50%に減らす。そうすれば現行システムを大きく変更することなく、年3億ドルを削減できる。選手側の取り分は7%減るが、選手の数も減るので、年俸平均額はたいして変わらない。実質的には、何チームか潰すようなものだ。だが実際にチームを潰さずに済む。検討されるべきだと思うよ。・・・今の選手側の状況は、(優勝のチャンスを選ぶか高年俸を選ぶかで悩んだ)レブロンのようなものだ。トレードオフの状態だ。選手側は、取り分を減らすか、選手数を減らして仕事の数を減らすか、最低どちらかは選ばないといけない。場合によっては両方。そう思うよ。」

「そんなシナリオは選手にとって最低なものだが、ロックアウトで金を失うよりはましだ。・・・仕事数の確保や、ミッドレベルの年俸の確保に向けての努力をあきらめるという手もある。そして、選手組合は、他の目的達成のために、それらを交渉のエサに使えるかもしれない。つまり、あきらめる代わりに、収益分配制度案を検討させたり、(選手組合側の要望である)ソフトキャップ制度の多くの要素に変更を加えないようにオーナーに要求するなどだ。余談だが、ミッドレベル例外条項ははまずなくなるだろう。」

「そのかわり、選手はオーナーにこんな要求もしておくべきだ。「チームを売却する場合、(税金対策などで)なにか減価償却的な費用を計上していきたいなら、売却益の一部を選手の年金基金にいくらか入れるというルールを作ってくれ。」などなど。そうすれば、エディー・カリーのような金銭感覚のない選手がホームレスにならずにすむ。」

「だが実際には、こういった選手側の要求は結局受け入れられないだろう。オーナーは路頭に迷うことはないが、選手は困る。選手はオーナー側の意見を受け入れないといけない立場のためだ。」

そういう意見に対して、筆者「私もそう感じる。選手もそう思っているだろう。」

・Dリーグの利用について、筆者「ドラフトを4巡や5巡目まで拡大するという案もある。こうすれば、仕事の減少の影響を少し軽減できるかもしれない。つまり、4人指名するとすれば、2人ほどはNBAで、2人ほどはDリーグでプレーすることになる。NBAのロースター枠が減るとしても、選手はDリーグで仕事にありつけるというわけだ。給料は減るが。コーチ陣も同様にする。・・・野球でいうトリプルAリーグのようなものだ。レベルの高いリーグになる。」

「(15-12)×30で90のロースター削減がやり過ぎというなら、13人にして(2×30で)60にすればいい。それに合わせてBRI(バスケットボール関連の収入)における選手の取り分も変えればいい。とりあえずオーナーの希望額までコスト削減しておけば、その後は、その他のすべての事項が交渉可能になる。」

「これならオーナー、(NBAに残れた)選手、ファン、みんなにとって良い状況になる。ゲームの質が上がるからだ。リーグの中で最もレベルの低い60-90人がいなくなるし、収益も分配できるし、人件費も削減できる。戦力的にバランスも良くなるし、収益も増える。」

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最近の気分

自分はNBAの実情を詳しく知っているわけではないので、自分の意見はおそらく的はずれな意見なのだろう。でも普通にテレビでNBAを観てきた日本人のファンとして、今ある乏しい知識をフルに使うと、自分のNBAに対する意見は、今のところ以下のようになる。

■最近の気分

今日、スーパーボウルへの進出チームが決まった。進出したグリーンベイは、NBAで言えばミルウォーキーのようなものだ。人口わずか10万人の、マーケット規模の小さい都市のチームだ。リーグから収益の分配がなければ、まず経営が成り立たない。NBAで収益分配制度が今より機能していれば、と思う。分配制度を変えると、強豪チームは今より弱くなるかもしれない。しかし、優勝を目標にするチームが今より倍増するかもしれない。今年のNBAの順位表とNFLの順位表を見比べると特に、そう思ってしまう。だから最近は、収益分配制度の記事によく目を通している。

収益分配制度の目的は、フェアな競争をするための土台作りだ。積極的な投資、賢明なドラフト、賢明なスカウティングをして強いチームを作ったのに、マーケット規模の小ささのせいで常に赤字、やむなく経費削減、いい選手を放出、そしてチームとしての輝きを失ってしまう・・・そんなチームをなくすことだ。そんなチームから看板選手が抜けだそうとするのを少しでも無くすためだ。ファンや強いチームを作ろうとしているオーナーに、今よりフェアなチャンスを与えることだ。制度を変えても、ミルウォーキーやトロントへの移籍を嫌がる選手の数は・・・あまり減らないだろう。だが、これらのチームから移籍しようとする選手は減るかもしれない。

余談かもしれないが、グリズリーズのオーナー、ハイズリーもかつては優勝を目指し、積極的に投資した。良いチームを作った。しかし、プレーオフに出ても観客数は伸びず、収益は伸びず、彼は意気消沈した。結果、今ではスターリンと大差のない、けちなオーナーになった。分配制度を改善しないと、キングスのマルーフ、ナゲッツのクロエンケ、キャブズのギルバートも、いつこうなるかわからない。彼らは今、かなり落胆しているためだ。なにより彼らにとって今の状況では、勝ちを狙いにいくよりけちでいることが最も合理的な選択肢だからだ。今のままでは、ファンもオーナーもやる気が続かない。オーナーのなり手やファンや都市の使い捨てが続くばかりだ。

収益分配制度の目的は、弱いチームを救うことではない。負け越しているチームを勝ち越しのチームにすることではない。ニックスやクリッパーズを強くするのが目的ではない。この制度改正によって、ニックスのドーランやクリッパーズのスターリンの頭の中身を変えることはできない。この制度で人の才能を変えることはできない。これらを変えるのは、この制度の第一の目的ではない。

また、チーム間の戦力均衡化は、収益分配制度の第一の目的ではない。よく混同されがちだが、違う。制度の第一の目的は、フェアな競争をするための土台作りだ。チームの力は、資金以外の要因によっても決まるので、この制度のみで戦力が均衡化することはない。

収益分配関連の英文記事には多くの人がコメント欄などで「制度を変えても無駄。」などのコメントをしている。その意見は尊重する。別に否定する気はない。ただ、自分の立場としては、オーナーや監督や選手の才能などで試合の勝敗が決まってほしい。マーケット規模の小さなチームに、もう少しフェアなチャンスが与えられてもいいと思っている。積極的に投資をしたがっているオーナーが、チームの存続ではなく、チームの勝利に集中できる環境を作ってほしい。収益分配制度改善は、その役に立つと考えている。

オーナーたちは、NBAを30の個別の事業体の集まりではなくひとつの事業体として捉えて、協力して、収益分配制度を改善しなくてはいけない。MLBの収益分配制度のようになっては意味がないので、かなり大変な仕事になるかもしれない。大都市のオーナーは分配制度拡大に積極的ではないようなので、道程は険しそうだ。だがNFLはやってのけた。何十年も前に。NBAファンの一人として、収益分配制度が改善されることを期待している。

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チケット売上収益

チケットの売上収益に関する記事を読んでみた。昔の記事ですが、事情はそれほど変わってないかと。主な内容は、「マーケット規模とチケット売上収益はわりと比例関係にある」という普通の話。ブレイザーズファンとホーネッツファンには興味のある話かもしれない。

読んだ感想ですが、もっと表や図を使ってくれ、という思いでいっぱいです。それ以外は特にないです。難しそうだけどおもしろそうな話だと思って訳しつつ理解してみたら、意外と簡単な内容だったので、少しがっかりしました。

以下、2009年8月の記事より。

■チケット売上収益

・1試合あたりの、チケット販売による収益について、記者「2008-2009年シーズンは、ホームゲームでの1試合あたりの、チケット売上収益は、レイカーズは約190万ドル(リーグ1位)、ニックスが約160万ドル(リーグ2位)。以下、セルティックス、サンズ、ブルズ、キャブズ、ウォリアーズ、マブズ、ラプターズだ。・・・1試合あたりのチケット売上収益が100万ドル以上のチームは12チーム。・・・最下位のグリズリーズはたった約32万ドルだ。その上はウルブズ、バックス、ホークス、ペイサーズ、ボブキャッツ、ウィザーズ、ナゲッツ。」

・マーケット規模とチケット販売による収益の関係について、記者「マーケット規模の大きいチームはチケット売上収益においてもトップクラスだ。基本的に、マーケット規模とチケット売上収益は比例する。」

・例外のブレイザーズについて、筆者「だが、ポートランド、ニューオーリンズ、オーランドのデータを見れば、収益分配システムが必要な理由がわかる。これらのチームは、チケットの販売数ではリーグの平均以上だが、チケット売上収益という点では平均以下だ。理由は、チケットの額を上げることができないからだ。ブレイザーズは最も顕著な例で、一試合あたり約17000(リーグ3位)のチケットを販売しているが、1試合あたりのチケット売上収益は約80万ドル(リーグ15位)だ。・・・ブレイザーズの試合の観客数は多いが、マーケットの大きなチームのようなチケット価格設定はできない。」

・ブレイザーズについて、別の記者の話「ポートランドとニューオーリンズが収益をなかなか増やせない理由は、チケットの額を(大都市レベルの)限界まで上げていないためだ。安くしているのかもしれないし、そのマーケットではそれ以上の価格設定が無理なのかもしれない。いずれにせよ上げるとしても、ミルウォーキーなどではニューヨーク並のチケット価格は設定できない。」

・その他の傾向などについて、筆者「一方、ミネソタ、メンフィス、シャーロットではいくらチケット価格を下げても売れない。だからといってチケット販売数が常にマーケット規模に左右されるわけではない。ソルトレイクシティーの人口はロングアイランドの人口の6分の1だが、ジャズのチケット販売数は1試合あたり約18000、チケット売上収益は約100万ドルだ。」

・アシスタントプログラムについて、筆者「ラグジュアリータックス制度は収益分配制度の一つだ。また、あまり知られていないが、2005-2006シーズンから、アシスタントプログラムという制度もある。苦しんでいるチーム2チームに補助金が与えられる制度だ。ネッツやクリッパーズなど大都市のチームでも受給資格がある。オーナーたちの投票により、2008年にこの制度は拡大された。同様の制度はNFLにもある。」

・収益分配制度改善の可能性について、筆者「収益分配制度は、前回のCBA交渉時には話し合われなかった事項だ。それはオーナーたちの間で解決するべき問題だと捉えられていたためだ。・・・ドーランやバスなどは収益分配制度の拡大に乗り気ではない。今の制度は彼らにとっていいものだからだ。一方、良いチームを作って収益を上げているチームもいる。そんな彼らが、馬鹿な金の使い方をするドーランと収益を分け合いたいなどと思うだろうか。収益分配制度改善への道程は険しい。・・・収益分配制度拡大。収益の少ないチームがなんとかがんばって収入源を増やす。この2つの方法以外にスモールマーケットのチームが救われる方法は、2つしかない。(マーケット規模の大きい町への)移転か、チーム削減だ。」

・チケット売上収益トップクラスの、あるチームの幹部の話「多くのオーナーは「ニューオーリンズに補助金を出すのはばかげている。」と考えている。あのチームはミッドレベル例外条項を4年も連続で使っているんだ。金が足りないのにそんなことをしている者になぜ資金援助をしなくてはいけないんだ、と我々は思っている。・・・収益分配制度に関する話し合いは大論争になるだろうな。みんなの意見が一致することもない気がする。」

・Dスターンの見解について、筆者「Dスターンは、数チームが資金的に苦しんでいることを認識している。「様々な収益分配制度改善案が提出されている。常に話し合っていく予定だ。資金的に苦しんでいるチームもあるが、総合的に見れば、我々はかなりうまくやっているんだよ。」とスターンは語っている。うまくいっている・・・その言葉の定義はチームによってかなり異なるようである。」

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フランチャイズタグ

スター選手の移籍を防ぐ手段として、NFLにはフランチャイズタグというものがある。NFLのように、NBAがそのフランチャイズタグ制度を導入するかもしれない、という記事を読んでみた。

記事の主な内容は
・NBAのスモールマーケットのチームのオーナーがこのタグ制度導入案にわりと乗り気。
・もし導入されれば、FA制度崩壊と言っていい効果があるので、選手側はまず賛成しないだろう。

以下、記事より。

■フランチャイズタグ

・NBAチームのオーナーの多くがタグ制度導入に好意的な態度であることについて、筆者「レブロンの移籍で、ファンが落胆したのはもちろんだが、キャブズのチーム価値が2億ドルも減ってしまった。・・・ナゲッツでは、カーメロがニックスへの移籍を希望している。ナゲッツのオーナーは投資する意欲もあり、サポーティングキャストも揃ってはいるが。・・・他のチームのオーナーも、2012年の夏にDハワードやCポール、Dウィリアムズたちがこの夏のヒートのように、大都市チームに集まるのではないかと心配している。・・・看板選手の移籍を防ぐため、CBA交渉にあたって、最近、オーナーたちの間で話し合われていることがある。フランチャイズタグ導入だ。」

・タグ制度の内容について、筆者「フランチャイズタグとはNFLが1993年に導入したコンセプトだ。要は、チームの看板選手がFAになって出ていくのを防ぐため、看板選手がFAになるときに、チームがその選手にタグを付ける。」

「タグには「exclusiveタグ」と「non-exclusiveタグ」の2種類ある。どちらのタグを使う場合も、チームは選手(説明上、ここでは「選手A」と呼ぶことにする)に対して、1年契約のみ提示できる。その際の金額は、選手Aと同じポジションの選手のうち、年俸額トップ5の選手たちの平均年俸額だ。チームがexclusiveタグを使うと、選手Aは他のチームと契約交渉ができなくなる。ただし、1年契約は保証される。一方、non-exclusiveタグは、いわゆる制限付きFAのようなものだ。チームにタグをはられても、選手Aには他のチームと交渉できる権利がある。他のチームが選手Aにオファーしても、選手Aが所属していたチームはその額で選手Aにオファーできる。その結果、もし選手Aが移籍してしまえば、補償として、選手Aが所属していたチームには1巡目指名権2つが与えられる。」

「このタグ制度は、各チーム1年ずつしか使えない。同一選手に連続して使う場合、3年連続が限度だ。2年連続の場合、2年目にチームは年俸額を20%増額する必要がある。3年連続の場合、チームは選手Aに対して、(同一ポジションではなく)リーグの年俸トップ5の選手たちの平均年俸額でオファーしないといけない。」

・NFLにおけるタグ制度の実情について、筆者「基本的には、このタグを毎年使うチームはない。タグを付けられた選手数は、2010年はわずか5人。2009年は15人。2008年は12人。しかし、タグの影響は大きい。タグを使わなくても、契約交渉時に大きな効果がある。・・・通常、NFLのオーナーたちは、選手に長期契約を受け入れさせるための脅しとして、このタグ制度を使っている。不安定な1年契約を好む選手などいない。選手は1年契約が嫌なので、長期契約を結ぶ。・・・当然ながら、選手はタグ制度を好んでいない。NFL選手はフランチャイズタグを「F-bomb(ファック、の意味)」と呼んでいる。」

「NBAで、タグ制度導入に積極的なのはスモールマーケットチームのオーナーだ。大都市でレイカーズのような、とてもかないそうにない帝国チームができるのを恐れているためだ。レイカーズのオーナー、Jバスなどは当然、タグ制度導入を好んでいない。スター選手を誘うことができなくなるためだ。だがGMたちの話によれば、多くのオーナーがタグ制度導入に好意的なようだ。具体的なことは未定だが。」

・ESPNの記者の意見「タグ制度のせいで、NFLではFAの動きが少ない。毎年40-50人がFAになるが、そのうち、トップクラスの選手13-15人がタグを付けられる。・・・NBAでタグ制度が導入されれば、より大きな効果がありそうだ。NFLのロースターは53人で構成されるが、NBAは15人だ。多くの選手の流出を防げるようになる。」

・NBAのとあるGMの意見「もし導入されれば絶大すぎる効果がある。チーム側は(交渉での)支配権を手にする。また、交渉合戦に関するコストが削減できる。・・・スモールマーケットと大都市のチームの間には、実力差がある。私の意見では、タグ制度は収益分配制度同様、実力差をある程度埋めることの出来る制度だ。スモールマーケットのチームにとって、スター選手を獲得する唯一の方法はドラフトのみだ。選手をせっかく育てても移籍してしまえば大事態になる。前のCBAのおかげで、ドラフトした選手との再契約はしやすくなった。だが結局、スター選手は去っていってしまう。」

・タグ制度導入には代理人の力が制限されるという利点があることについて、NBAのとあるGMの話「前のCBA締結のときに、我々は、新人の契約額や最高契約額の制限などをして、代理人の影響力を制限しようと努力した。だがその後、代理人は賢いのできっちり対処してきた。彼らは、スター選手を同一チームに集めるという手法を取るようになった。代理人はリーグのことを第一に考えて行動することはない。代理人たちは選手のことを考えているのか、それすら怪しいものだ。金と権力の獲得が彼らの最優先事項だ。」

・NBAの選手たちはタグ制度に反対するであろうということについて、ある代理人「タグ制度はNFL選手にとって最悪なものだ。偉大になってしまった罰と言ってもいい。移籍する権利を制限される。大半の選手が移籍できるのに、なぜスター選手は移籍する権利がないんだ。オーナーたちはこのタグ制度を契約交渉時に脅しとして使ってくるので、実際には、タグを付けられていない多くのスター級選手も契約交渉時に苦しめられている。 NBAで導入されたら、インパクトは(身動きできなくなるほど)絶大なものになる。NBAではチームの人数が少ないから。FA制度崩壊と言っていいね。選手側が賛成するわけがない。NBAのオーナーたちが「タグ制度を導入する」なんて言い出したら、ロックアウトはまず確実だ。」

■参考記事
ウィキペディア

・今年のNFLに関する記事。今年は、MヴィックやPマニングがタグの対象になりそう。ただ、タグを付ける期限が迫っているが、ロックアウトの可能性があるので、ややこしいことになっているらしい。

■一言
・タグ制度はちょっとやり過ぎかもしれない。いくら戦力均衡と言っても。

・オーナーはたいして本気ではない・・・はず。

・代理人うぜぇ、という気持ちはわかるけど。

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NFLのCBA

NFLの労使交渉についてよく知らなかったので、調べたことなどをメモ。NBAの話じゃなくてすみませんね・・・。

以下、NFLの労使交渉に関する簡単なQ&A記事より。

■Q&A

Q:ロックアウトが起こりそうになっているそもそもの原因はなんですか。

A: 2年前に、NFLのオーナーたちが、現行のCBAを2010年シーズン終了後に破棄するという決断をしました。それが原因です。

Q: 前回のCBA締結後からわずか2年後に、なぜ破棄を決めたのですか?

A: リーグ総収益の約60%が選手たち側の取り分になったことで、オーナーたちが「選手にとって良い結果になっている」と感じたためです。

Q: ロックアウトがあるとすればいつからですか。

A: シーズン終了日の3月4日までに新しいCBAが締結されなければ、オーナーたちはロックアウトを開始できます。

Q: オーナー側の希望は何ですか。

A: 第一の希望は、総収益に占めるコストクレジット(リーグ運営などに使われる資金)の割合を、「現在の分+総収益の18%」へ増やすこと。これが行われると、選手側の取り分は小さくなります。額にして、選手側の取り分は約18%減少すると言われています。

Q: 選手側の希望は何ですか?

A: 現在のCBAで決められている選手側の取り分の維持です。

Q: 他の交渉事項は何ですか?

A:レギュラーシーズンの試合を18試合に増やすこと。NBAのように新人の契約額を決めること。これらが主な事項です。

Q: ロックアウトの期間、選手はどうなりますか。

A: 年俸と、医療保険を失います。

Q: ロックアウトの期間、チームはどうなりますか。

A: テレビ放送関連の収入は保証されています。しかし、チームは選手に関わることができません。オフシーズンのワークアウト、チームミーティング、トレード、ドラフト指名選手やFAとの契約、トレーニングキャンプなどができません。9月までロックアウトが続けば、試合もできません。

Q: ドラフトはどうなりますか。

A: 4月の終わりに行われます。チーム側は選手を指名することはできますが、新しいCBA締結まで契約はできません。ドラフト外の選手とも契約できません。

Q: ロックアウトになりますか?

A: コミッショナーはCBA締結はうまくいくと、公の場で強気にコメントをしています。しかし、選手やオーナーの大半はそこまで楽観視していません。

■その他参考記事
・非常に分かりやすい、図入りの日本語記事

・上と同じような内容の記事

・TブレイディーとRルイスが試合数増加を不安視していることに関する記事。怪我のリスク増加などが選手側の主な不安内容。選手組合の気持ちは「リーグ側は試合を増やそうとしている一方、選手側の取り分を減らそうとしている。」と感じている模様。

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財務諸表

・先月、リークされたホーネッツの財務データ

KPMGが監査した模様。おー・・・学生のときに見たような監査報告書。苦しんだ当時の嫌な思い出がよみがえりやがる。無限定意見とか・・・今となっては懐かしい思い出です。

その財務諸表の内容を軽く評価している記事はこの記事この記事この記事。プレーオフに出たときはちょっと黒字になったけど、他の年は赤字、とか、ゴーイングコンサーンの評価はやっぱだめ、とか、借りれるところから金は借りてきました、など予想通りのダメぶり。

・他にも8月にMLBのパイレーツやマーリンズマリナーズレンジャーズの財務データがリークされて、Deadspinで公開されてニュースになった模様。

リークしたのは誰だろう、と推測している記事。通常、MLBチームの財務諸表はリーグオフィスの関係者以外には公開されないらしい。監査法人がわざわざリスクをおかしてリークするわけがないので、リーグオフィスの誰かかな、という話。

・パイレーツの財務データがリークされたときの記事

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MLBの収益分配制度

MLBは、NBAより収益分配額が多いらしい。ただ、それでも問題はある模様。簡単にいえば、勝ちにいかなくても金は入ってくる、という点。

昨年、ピッツバーグ・パイレーツの財務データが漏洩して、勝利を目指さず金稼ぎに露骨に集中していることが発覚した模様。今回読んだ記事は、その事件をもとに現在のMLBの収益分配制度に関する問題を論じた記事。去年の8月の記事ですけど、知らなかった。理解する目的で、とりあえず訳してみた。

感想としては、NBAの収益分配制度が改善されても、パイレーツのようなことをやりそうなチームは出てきそうな気がする。ラプターズあたりがしそうだぜ。ラプターズはバスケチームというより明らかにファンドですから。

以下、記事。

■パイレーツの判断
MLBの収益分配制度に関する問題に対して、ひとつの解決策を提示している記事

・スモールマーケットのチーム、ピッツバーグ・パイレーツについて、筆者「パイレーツは、「金がない」と言いつつ、18年も負け越しシーズンを記録した。だが実のところは利益をあげ続けてきたチームだった。・・・パイレーツの2007年から2008年の財務データがこのほど漏洩して公開され、大批判をあびている。「我々はリーグ制度の犠牲者だ」と言いつつ、毎年のようにスタメンを放出してきたパイレーツが、実はMLBでもトップクラスの利益を手にしていたのだ。07年と08年合計で約3000万ドルの利益を出していた。その期間、彼らは収益分配制度により合計約7000万ドルを受け取っていた。」

・今の収益分配システムの問題点について、筆者「パイレーツは極端な例としても、今の収益分配制度の主な問題は、(当初の目的である)都市間のチームの強さを均衡化できておらず、選手への投資からのリターンが低くなるように作られている点だ。結果として全体的に選手の年俸も抑えられている。」

「詳しく言えば、現行システムの問題点は、分配する側のチームと分配を受け取る側のチームを決める際、(マーケットの規模を考慮した、本来その都市が生み出せるであろう)潜在的な仮想の収益額ではなく、実際の収益額が使用されていることだ。よって現実には、スモールマーケットで成功を収めたチームが分配する側になり、大都市でまずい運営をしたチームが分配を受け取る側になる場合がある。その大都市チームは何も代償を払っていない。・・・制度成立初期、大都市にあるフィリーズは分配を受け取る側だった。一方、スモールマーケットながら強かったクリーブランド・インディアンズは分配する側になった。このように、強くなっても実際の収益額が使用されていては、チームの強くなろうという気を削ぐ。勝って収益を増やしても分配する側になり、収益が減るためだ。結局、ゼロサムゲームなのだ。そこで、パイレーツは勝ちにいかないという選択をした。」

「今の収益分配制度は、限界収益が低くなる制度だ。例えば、クリフ・リーと契約したいとして、契約した場合、チームの勝利数は6勝増えると仮定しよう。1勝につき400万ドルの収益が増えると仮定すれば、リーは(6×400で)1年あたり2400万ドルの価値があることになる。本来はこの金額をもとにこの額内でオファーをする。だが自チームが分配する側のチームと仮定した場合、リーグ規定の31%をリーグの(分配)プールに入れないといけない。すると、(2400×約30%=約800をさしひいて、2400-800で)リーには実質1600万ドルの価値しかないことになる。この額をもとにオファー額を決めることになる。これがMLBにおける収益分配システムの真の目的だ。選手への投資収益を低くして、スター選手へ高い年俸をオファーできなくする。そして、その他の選手の年俸額を全体的に下げる。MLBの収益分配制度の真の目的は、戦力均衡化ではなく、年俸額低下だ。」

「このやり方は非常に成功している。MLBは現在、4大スポーツの中で、収入における選手への支払額(選手への支払額÷総収入)が一番低い。スター選手の年俸額はここ10年、それほど変化してない。2000年時のAロドリゲスの平均年俸額は2300万ドル、今のスター選手の平均年俸は2500万ドルだ。たいして変化していないのは、収益分配制度のせいだ。」

「今のシステムの欠点は、(本来の目的である)チーム間の力の差を均衡化できてない点だ。人件費を抑えて利益を得たがる、収益受け手チームを増やすだけだ。彼らは、収益を低くしておけば、大都市のヤンキース、レッドソックス、カブズ、ドジャースから金をもらえることを分かっているのだ。パイレーツが今回したことは道徳的にひどく、不誠実という度合いを超えている。しかし、金稼ぎという点から見れば、リスクをおかして勝利を目指すよりも、安定した利益を出したいというオーナーにとって合理的な行為だ。」

・問題の解決法について、筆者「このシステムを改善するには、年俸額抑制機能という点を捨てるようにしなければいけない。大事な点は、各都市間の(本来その都市が生み出せるであろう)潜在的な収益額の差を埋めるようにしなくてはいけない点だ。識者を集めて、いい制度を作らなくてはいけない。まずブロンクスやボルチモアあたりで実験して数値を出して、それをもとに、各都市の(本来その都市が生み出せるであろう)潜在的な収益を数値として出さないといけない。ロイヤルズとフィリーズという(野球チーム間の)差ではなく、カンザスシティーとフィラデルフィア(という町の間)の差を均衡化するようにしないといけない。」

「また仮に、あるチームが勝利より金稼ぎに走っても、プールに金をいれさせるなどして、この制度を使って罰してはならない。同様に、大都市のチームが馬鹿な運営をしても、この制度を使って罰してはならない。収益分配制度は、失敗への罰や成功への報酬の手段として使ってはならない。ただ戦力均衡化のツールとしてのみ使用されるべきだ。」

「このようにシステムが改善されれば、パイレーツは他のチーム同様、勝つ気になる。彼らががんばって稼いだ金は自分たちのものになるからだ。稼ぎが減らされることはない。・・・パイレーツを批判の的にするのは簡単だが、それなら他のオーナーや、何年も前から今の制度を主張してきたコミッショナーのバド・セリグも批判したほうがいい。パイレーツの判断が悪いのではない。そういう判断を合理的なものにしている制度が悪いのだ。」

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ウェリントン・マーラ

NYジャイアンツの元オーナー、ウェリントン・マーラについて軽く調べました。太っ腹な人だ。14歳でジャイアンツのオーナーになったとかすごすぎる。

以下の内容を、記事「NBAの収益分配制度」に補足しました。

■ウェリントン・マーラ
「スポーツファンならよく知っているだろうが、マーラは元ジャイアンツのオーナーで、非情に尊敬されていた。当時のNFLコミッショナー、ピート・ロゼールは「放送関係の収入を全チーム間で平等に分けたい」と提言して、(放送権でも儲けていた)マーラはそれに承諾したことで知られている。この収益分配制度により、チーム間の実力は拮抗し、リーグは32の個別の事業体ではなく1つの事業体となった。以降50年、NFLはアメリカのプロスポーツ界でトップに立っている。」

・以下、この記事より。

「ウェリントン・マーラは2005年の今日亡くなった。知らない方は知っておくといい。というのも彼がいなければ、NFLはこれほどアメリカのプロスポーツ界で圧倒的な人気を得ることはなかった。」

「収益分配制度ができる前(1950年代から60年代頃)、マーラはNFLで最も力のあるチーム、ジャイアンツのオーナーだった。当時、テレビの放送権の契約をしているチームは、当時はジャイアンツを含めて数えるほどだった。当時のコミッショナー、ピート・ロゼールは、このままでは富めるチームとそうでないチームの差が広がると感じた。大都市のオーナー、マーラたちが収益分配制度の案に賛同する必要があった。収益分配制度が成立したおかげで、今のNFLの繁栄がある。スモールマーケットのパッカーズがジャイアンツに対抗できているのはこのおかげだ。この制度がなければ今のパッカーズも、拮抗した力関係も存在してないはずだ。全てはこの1960年の合意のおかげだ。」

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いろいろ

ちょっとよかった記事少し。

・元悪ガキのFガルシアが、今ではキングスの古株としてリーダーになっているという記事。悪ガキのDカズンズ調教役でもあるガルシアについて、カズンズ「シスコは必要なことを何でもしてくれる。叫んだり、落ち着かせたり、ヘッドバンドなんか投げるな、と言ってくれたり。気合いも入れてくれる。俺がキレるときもあるけど、彼も元はめちゃくちゃ短気な選手だったから俺の気持ちを良く分かってくれる。キングスのいい時も悪い時も知っている。俺達は彼の話はちゃんと聞く。」

・マブズのDスティーブンソンが監督に賞賛され、先発になっているという記事。彼について、監督「彼の姿勢こそ我々の理想像だ。タフで、大事な場面でシュートを決める精神力をもっている。」

テリー「何年もマブズはソフトだと言われてきたが。(チャンドラーや)彼はボールに触る機会がなくても、コートにいなくても、タフさを見せつけている。選手として彼を相手にしたくないね。」

・チャージングをとりにいく意識が強いので、サンダーのNコリソンはチームメイトから尊敬されているという記事

・ブレイザーズのオルドリッジに関する記事。絶好調な理由は、がんをわずらっている母親にいい姿を見せてあげたいという気持ちがあるためらしい。オルドリッジ「母ががんと知って、最初は動揺して、うまくプレーできなかった。今はモヤモヤした気持ちをやる気にかえてプレーしている。あと、できるだけがんばって、オールスターに出たい。そうすれば母に楽しみなことができるだろ。治療なんかじゃなくてさ。」

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NBAの収益分配制度

NBAの収益分配制度についての記事をいくつか読んでみた。いまいちよくわかってなかったので。長い記事になったけど、別に難しいことを書いているわけじゃない。もっと儲けを赤字チームに分けろ、という話。

読んでみた感想ですが、個人的には、CBA交渉事項の中で、この制度改革が一番行われてほしいっす。キングスとかホーネッツとかバックスとかペイサーズファンの人はここ数年、心から切に願ってきたことかもしれませんが。

収益分配に関して改革が行われれば、チームが移転したり消滅するという話も減り、スターが移籍する回数が減るかもしれない。今年のNFLみたいに大波乱だらけ、という年も出てくるかもしれない。なにより俺みたいに見る気のなくなる人が減るかもしれない。ぼろぼろのチームであっても、既存のマゾ的ファン以外のまともな人が応援するようになるかもしれない。コスト削減目的の、腹立つトレードが少し減るかもしれない。

まぁ、たとえ収益分配制度を変えても、馬鹿なオーナーと賢いオーナーの差は埋められん。改革しても、ミルウォーキーやトロントを嫌がる選手の数はたいして変わらんでしょう。でも制度を変えれば、資金面でちょっとは格差が縮まって、オーナーがチームの存続よりもチームの勝利にちっとは気を使えるようになるんじゃないかと。

以下、Dグレンジャーとナゲッツファンの意見。

■Dグレンジャー
NBAの収益分配制度に関して、ペイサーズのグレンジャーが語っている記事。NBAはNFLやMLBに比べて収益の分配が少ないので、大都市以外の町は苦しむ傾向にある。そんなことについて語っている。

今のNBAのシステムに不満のあるDグレンジャー「俺達はシカゴやニューヨークやロサンゼルスのような、選手に好まれる町のチームじゃない。マーケットの小ささではNBAの中でも指折りだ。FAを獲得するのは難しい。だからこのチームはこれまでずっとドラフト中心のチームづくりをしてきた。乱闘事件まではチームづくりのシステムも機能していたけど、今の状況ではFAを獲得するのは難しい。強いチームと競争するのはきつい。スタメンがオールスター常連だらけのクレイジーなチーム(ボストンなど)、そして資金力のあるチームとやりあうのはきつい。それでも勝つ努力はしないといけないけども。そんな状況でもプレーオフに出てやろうと俺たちは当然思っている。」

「レイカーズ、ボストン、サンアントニオの好調など、ファンを引きつける話はたくさんあるのに、ロックアウトでファンを失うとしたらひどい話になる。でもそうなりそうな雰囲気だ。」

「実際、現行システムはフェアじゃない。NBAを存続させる気が関係者全員にあるなら、収益をもっと分配しないと。でないとバックスがレイカーズに対抗する手段なんてない。絶対に。ロサンゼルスがチケットを完売するかどうかなんてどうでもいい。今の制度のままだと、それに関係なくロサンゼルスはこれからも金を儲け続けれるんだから。」

■ナゲッツファン
収益分配制度に関して、ナゲッツファンが語っている記事

・NBAとそれ以外のスポーツの違いについて、筆者「1980年以降、NFLやMLBやNHLでは、14以上のチームが優勝しているが、NBAで優勝したチーム数は8。しかもスモールマーケットのチームは2つ(スパーズとピストンズ)のみだ。大都市のチームの関係者はともかく、それ以外のチーム関係者やファンにとっては注意すべきことだ。」

「(国際&全国)テレビ放送とライセンス収入による収益の2つのみがチーム間分配されるという事実、そして高騰する選手の年俸。この2つの要因のせいで、多くのNBAチームは損を出し続けている。だからオーナーたちは選手組合と喧嘩はするが、次のシーズンを始めようというやる気がない。一方、NFLやMLBのオーナーたちはリーグを存続させようという意思があったので、結果、今ではみんな利益を享受している。」

「NBAでは、国際&全国放送とライセンス収入による収益は各チーム間で分配する。しかし、地元での放送権やスポンサー契約やチケット売上による収益は分配しない。NFLではチケットの売上による収益はホームチーム60%、アウェーチーム40%で分ける。MLBでは31%程が一度プールされて、全チームに分配される。だからパイレーツはここ20年最低なチームであるにもかかわらず利益が出ている。」

「記者の一人が「NBAのオーナーとして金儲けをしたいなら、サンアントニオで優秀なチームをつくるよりロサンゼルスで最低なチームを作ったほうが儲かる。」と言ったが、的確だ。この状況を改善するには、CBAの交渉の場で、オーナーサイドにウェリントン・マーラ(NFLの収益分配制度改革に関わった人。NYジャイアンツの元オーナー)のような人物が現れる必要がある。・・・でないと、儲かるチームとそうでないチームの格差は広がり続け、(ダラスのような)損が出ても投資し続ける気力のあるチーム以外は苦しむ。」

「スポーツファンならよく知っているだろうが、マーラは元ジャイアンツのオーナーで、非情に尊敬されていた。当時のNFLコミッショナー、ピート・ロゼールは「放送関係の収益を全チーム間で平等に分けたい」と提言して、(放送権でも儲けていた)マーラはそれに承諾したことで知られている。この収益分配制度により、チーム間の実力は拮抗し、リーグは32の個別の事業体ではなく1つの事業体となった。以降50年、NFLはアメリカのプロスポーツ界でトップに立っている。」

・改革の主導者はMキューバンが適任と思っている筆者「頼みは大都市チームのオーナーたちなのだが、ニックスのドーランとクリッパーズのスターリンは業界のパーリア(馬鹿にされている人)。レイカーズのバスは子供たちに運営を任せているので実質隠居状態。その次の規模の大都市、シカゴのラインズドルフはMジョーダンとの再契約ですら金を使う気はなかった(けちな男だ)。この中に収益分配制度改革を担ってくれそうな人はいない。・・・そこで私が期待しているのがダラスのMキューバンだ。彼についての批判は多いが、彼はスポーツ界について先見の明を持った人物だ。そこに異論はないはずだ。その彼の活動はNBAにとどまらない。今、彼は長年の大問題であったBCS(カレッジフットボールの王座決定戦)の方法を変えようとしている。彼ならチーム間格差を埋められるかもしれない。」

「私は長年のナゲッツファンで、シーズンチケットホルダーだ。NBAの収益分配制度の問題を認識している。デンバーのオーナー、クロエンケ一家は大都市チームに対抗するため、ナゲッツに積極的に投資してきた。だが09年にレイカーズと接戦を演じて勢いのあったときでさえ、ナゲッツは約1000万ドル以上の赤字だったと言われている。一方、レイカーズはひたすらに儲け続けていた。この現行制度のままでは、クロエンケ一家が投資を渋るのは確実だ。そして大都市にスターが去って行き、また一つ魅力のあるチームが消える。」

「NBAのオーナーたちは「選手の年俸高騰がビジネスモデルをむしばんでいる」「30%以上の年俸カットが必要だ」と文句を言っているが、それはあくまで問題の一部だ。収益分配制度を変えない限り、(多くのチームが苦しいままという)問題は解決されない。NFLやMLBのような制度が必要だ。ウェリントン・マーラのような意思を持った人物がオーナーの中から現れないといけない。」

■補足(ウェリントン・マーラ)
ウェリントン・マーラについて補足。以下、この記事より。

「ウェリントン・マーラは2005年の今日亡くなった。知らない人は知っておくといい。というのも彼がいなければ、NFLはこれほどアメリカのプロスポーツ界で圧倒的な人気を得ることはなかった。」

「収益分配制度ができるまえ、マーラはNFLで最も力のあるチーム、ジャイアンツのオーナーだった。テレビの放送権の契約をしているチームは、当時はジャイアンツを含めて数えるほどだった。当時のコミッショナー、ピート・ロゼールは、このままでは富めるチームとそうでないチームの差が広がると感じた。大都市のオーナー、マーラたちが収益分配制度の案に賛同する必要があった。収益分配制度が成立したおかげで、今のNFLの繁栄がある。スモールマーケットのパッカーズがジャイアンツに対抗できているのはこのおかげだ。この制度がなければ今のパッカーズも、拮抗した力関係も存在してないはずだ。全てはこの合意のおかげだ。」

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ロケッツ

自分のファンタジーチームにはブルックスやスコラなどロケッツの選手がいるのでロケッツが気になる。そこでロケッツについての記事をいくつか見てみた。

■ケビン・マーティン
パンプフェイクの特集記事

Kマーティンのフェイクについて、パンプフェイクマスター、Sキャセール「パンプフェイクがとてもうまい選手は、彼だ。すごい。動きは全般的にゆっくりだけど、彼のパンプフェイクはリーグ1だ。」

フリースロー数とスリーの数で同時に1位になれそうなことについて、マーティン「パンプフェイクでファールを誘う事に関して言えば、昔はサム(キャセール)に「あなたの得意技を使わせてもらってますよ」と言っていた。会ったときにジョークでね。・・・コービーのフェイクはクレイジーだが、パンプフェイクではサムが一番だった。」

フェイク大好きのBミラー「サムはフェイクの発明家だった。」

フェイクをするときは最後までやるLスコラ「俺がやる場合は、お前がジャンプするまでフェイクをし続けてやる、というかんじだ。」

バティエ「ケビンのフェイクはゆっくりだけど、彼にはファーストステップの早さもあるからね。やばい。・・・変な意見かもしれないが、最高のパンプフェイクをする選手はコービーか、グリズリーズのサム・ヤングだ。ヤングはそれほどのシューターじゃないけど、フェイクはほんとうにうまい。」

■Tウィリアムズ
Tウィリアムズに関する記事。トレードでやってきたTウィリアムズとブルックスは幼い頃からの知り合いらしい。あと、トレードの理由が情けないのが印象的だった。

ロケッツやDリーグ落ちについて、ウィリアムズ「アーロン(ブルックス)のことは5歳くらいから知っている。彼の父がフットボールチームの監督だったから。アーロンならいろいろ相談できる。・・・ここにはジャージーで一緒にプレーしたコートニー(リー)もいる。・・・ネッツでDリーグ落ちしたとき、母親に泣かれて初めてDリーグ落ちを実感した。・・・きつかったよ。遅刻しすぎだからといってDリーグに送るなんて。俺は大人だ。遅刻は悪いことだと認めるよ。でも罰としてDリーグ行きなんて。」

■ヤオ
・ヤオがオラジュワンに「なんとか復帰する」と語った記事。特にどうという記事ではないが、いにしえの秘術を持つ長老オラジュワンですら、怪我をしない方法だけは教えられない。そんな感じのコメントが少し悲しかった。

・ヤオがNBAに与えた影響の大きさについての記事。彼は単なる怪我がちの人ではなく、NBAの世界戦略に大きな変化を与えた類を見ない人物だ、ということを再確認させるいい記事。

ヤオについて、キャセール「ヤオにはこれまでオフシーズンがなかった。毎年代表の試合をしていたので、3ヶ月の休みなどがなかった。回復の時期というのは必要なのに。俺は、現役の頃はオフに3ヶ月くらい休んだものだ。彼は偉大な選手であるために、常に大きなプレッシャーを背負っている。それでいて彼が不満を言ったことは一度もない。彼が新人のとき、俺は「こんなガキがどうやって(メディアやプレッシャーなど)この全てに対処していくんだ。」と思った。それに、彼には言葉の壁という問題もあったので、あいつには落ち着く場所もなかった。完全にここに溶け込むことは出来ていなかった。無理な話だった。・・・彼はオフに(コービー達がオフに新しい技を身につけるなどの)何かをする余裕なんてなかった。フランチャイズプレーヤーであることを嫌がる選手もいるが、彼はいついかなる試合でも、国を、そしてチームを代表しなくてはいけない、という義務があった。」

■一言
・あと気になったことは、昨シーズンのロケッツの選手はチャージングを誘う回数がリーグトップクラスの選手ばかり(データ)。奴らは何か競っていたのでしょうか。ボストンのGデイビスやJオニールがチャージングを誘う回数を競っていたという話は知っていますが。

・遅刻しすぎの罰としてDリーグ落ちしたせいで母親に泣かれて、最終的にトレードされた男、ウィリアムズ。だらしない自分も顔負けのだらしなさである。

・ヤオのことは特に好きというわけではなかったが、いなくなるのは物悲しい。「まだ俺は死んでないよ。こうやって今(記者の)君の前でフライドチキンを食べているじゃないか。君は、俺が葬式でもやると思っているのかい?」と語っているヤオに怒られそうではあるが。

人間にはやはり休みが必要なのだ。今は休め。そして俺の仕事は週休5日になれ。

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日記(ドラクエなど)

1月12日。いつもどおり、特に、全く、忙しくはない。絶好のドラクエ日和だ。

何年か放置していたドラクエ8を、昨年終わりからコツコツプレーしている。今の私は、攻略サイトなしでやっていた数年前の私とは違う。リーザス村で行き詰まったりはしない。全滅回数0で、これから裏ボスの竜神王と戦うのだ。ヒートのような破竹の勢い。なんたる進歩。しかし、人間としてはむしろ何かが後退している気がしてならない。ソフトに払った代金は取り戻せていても、人として取り戻せない何かを失っている感じがしてならない。

■NBA
どれほどゼシカのうなじに気をとられようと、NFLでどれほどシーホークスが活躍しようと、私はNBAのことを忘れたりはしない。NBAは今のところ私の優先事項ランキングの中で著しく下位にランキングしているだけで、忘れたりはしない。

しかしここはNBAブログである以上、少しはNBAブログらしく、NBAのことについて書いておこう・・・。特に注目していることなどはないので、自分のファンタジーチームのメンバーだったエバンスと新加入のスコラについて少し書いてみる。

■Lスコラ
自分がキングスの権力者なら、怪我を抱えているエバンスをオールスターウィーク前後に1ヶ月休ませるか、3月あたりでプレーをやめさせる。・・・そう思った私は、エバンスを出してスコラをトレードで獲得した。あのでかい顔。毛根の丈夫そうな髪の毛。なんと健康に見えることか。アポロンやギガンツのような頼もしさ。

■Tエバンス
足底筋膜炎と聞いていたので、去年のJノアやTギブソンのように1ヶ月前後休むんだろうと思っていたが、まだプレーしている。無理させる必要があるのか。しかも治療法についての情報をエバンスは勘違いしてなかったか。チームとしてコンディションの管理などどうしているのか気になる。

キングスについて気になる話は・・・特にない。しいていえば、キングスは25日にアリーナ問題について何か決める・・・ということくらい。でも何も決まらない気がする。そもそも立地という問題からして改修は無意味、そして移転はろくな場所がない・・・となれば奇抜すぎるアリーナを作るくらいしか解決法はない。聖地ゴルド崩壊のように、アリーナを空中に浮上させるしかない。そうすれば人が大勢観光に来て売上が増えるかもしれない。それくらいのことが起きない限り、事態が大きく前進することはないだろう。

キングスのアリーナについて言えば、名前がやっとかわる模様。「パワーバランスパビリオン」・・・うさん臭いことこのうえない。パワーバランスのリストバンドが人体に良い影響を与えるという効果の信ぴょう性について、リストバンド使用者のDカズンズ「効果なんてあるわけねぇよ。単なる装飾品だよ。」

せっかく「サクラメント」や「キングス」など聖なる感じが漂っているのに台無しである・・・「サクラメント城」とか「マルーフ王の館」「王家の山」などにできないものか。

■一言
言いそびれましたが、メリークリスマス。明けましておめでとうございます。成人になられた方、おめでとうございます。センター試験の人は英語を頑張って勉強して、おもしろNBAネタを教えてください。

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